真の働き方改革は業績至上主義からの解放にしかないと言い切れる

こんにちは。「ネガおじ」こと、ネガティブおじさんです。

久々に自分の価値観にフィットする本に出合いました。(『売上を減らそう ~たどりついたのは業績至上主義からの解放~』ライツ社:刊)

なんと小気味よいタイトルでしょうか。

京都で国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」を経営する「中村朱美」さんがそのお店の運営ポリシーを紹介した本です。

この方、以前「ガイアの夜明け」で紹介されたとのことで、ご存知の方が多いかもしれません。残念ながら私はその放送を見逃しており、別のメディアで紹介されているのを拝見し、この本を手に取りました。

やみくもに売上増を目指さない

「佰食屋」は中村さんが夫婦で始めたお店で、ステーキ丼を含むたった3つのメニューで、しかも1日100食限定というところにこだわった経営をされています。

開業当初は昼も夜も営業していましたが、現在はランチ営業のみで、それでもお昼だけで100食はあっという間に完売だとか。

それは商品に絶対な自身があり、口コミやSNSでの紹介も相まって来客が絶えないからこそ可能となっているようです。

それほど繁盛しているのなら、営業時間を伸ばして100食以上提供してさらなる売り上げ増を目指すのが普通だと思いますが、中村さんは100食とランチのみということを頑なに守っています。

それがゆえにここで働く人たちは普通のサラリーマンなみに9時5時という、飲食店では考えられないような働き方が可能なお店となっています。

これこそが中村さんが目指す、業績至上ではなくそこで働く人たちの幸せこそが最優先という哲学そのものです。

業績至上主義の弊害を経営者から発信してくれたことが画期的

お店の運営とそこで働く人たちの詳細は著書を参照していただければと思いますが、とにかく私自身が「売上(業績)至上主義」がもたらす「社員の幸福度の低下」に日々憤慨している身だけに、評論家ではなく実際にお店を経営する立場の人がここまで言い切ってくれることにわが意を得たりという思いでした。

しかし実際には世間はこんな素晴らしいお店(会社)ばかりではありません。というよりごくごく僅かだからこそ、こうしたお店がメディアで取り上げられることになる訳です。

こうした経営者の元で働ける社員は本当に幸せだと思いますが、私の勤務先のようにこれと真逆の会社に勤める社員側の立場としてはどうしたらよいでしょうかね。

こうした考え方は働く側が声高に叫んでも、経営を理解しない無能でネガティブな考え方として一蹴され、嫌なら辞めろで終わってしまうのが現実です。

むろん経営者の立場から、社員の働き方第一優先こそこれからの時代の会社の在り方だと発信してくれることによって、少しづつ世の中の流れが変わってくれることには期待したいと思いますが。

決められたことをコツコツこなす働き方はダメなのか

私がこの著書で特に感心したのは、残業もいとわずバリバリと働いて高みを目指す人よりもコツコツと真面目に業務に取り組む人を評価したいという著者の考え方です。

むろん著者も前者の働き方を否定するものではありませんが、

”言われた通りのことをやりたい、9時~17時の決められた就業時間内でやるべきことを丁寧にやり切って、家に帰って家族と晩御飯を食べる。そんなごくごく平凡な働き方が評価されず、望んでもいない過酷な労働状況に追い込まれていくのは、あまりにも酷です”

と言っています。

こんなこと言う経営者っていますか?

私は事務職であり、自分の性格も相まってまさにこうした働きかを心底望んでいますが、これと真逆の思想が根付く現在の勤務先では、そんな考え方は完全にネガティブ思考の持ち主という烙印を押されます。

多様性を真剣に受け止めているのか

昨今では「多様性」という言葉がメディアを賑わせていますが、社員の個々の事情や希望する働き方の多様性を真に理解し受け止めようとする会社がどれだけあるでしょうか。

一見すると社員の自立のためにスキルアップを推奨しているようで、実は会社にとって都合の良い能力を持った人間しか評価しないのが現状ではないでしょうか。

著者はそのあたりでも、

”ビジネス書ではよく、従業員の主体性を引き出す方法や、アイデアを生み出す方法について語られています。けれども、みんながみんな、そういう人になる必要がありますか? コツコツと丁寧に、毎日決められたことを、きちんとやる。むしろそっちの方が得意だ、という人も多いのではないでしょうか。「コミュニケーション力がある」ことは、あくまでも一人ひとりが持っている「得意なこと」の一つに過ぎない。そして、得意なことは人それぞれ違うのです”

と語っています。

会社の業績を上げるために、社員はそれに沿った働き方をするべきであるし、それが何よりも優先される。

高度成長期であればこの考え方に誰も疑問を挟まなかったでしょう。

しかし、人口減や価値観の変化にあって、昔のような頑張り方をしても売り上げなんて簡単に増えやしないどころか、社員はますます疲弊するばかり。

もういい加減、考え方を変えましょうよ。

studiographicさんによる写真ACからの写真(アイキャッチ画像)

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