定年は仕事からの強制退去ではなく解放なんだと思う

こんにちは。「ネガおじ」こと、ネガティブおじさんです。

今回は最近読んだ「定年」に関する本の紹介とそれに伴う私の定年に対する考えをお話しできればと思います。

タイトルは『定年入門』~イキイキしなくちゃダメですか~(髙橋秀峰著・ポプラ社)

私は2018年現在55歳。

後5年で定年を迎えます。

もちろんここ1、2年は定年を心の片隅で意識してはきました。

今の自分の仕事が安泰で熟成気を迎えているのであれば、定年後はどうしようかと具体的な想いを巡らせるのかもしれません。

しかし自分の場合、今現在も仕事環境で思い悩む日々の中で、「やることはやった。さあ定年後はどうするか」などという心境になったことがありません。

だからと言って、まだやり残したことがあるからもっと頑張りたいなどというポジティブな思いもない。

会社一筋で真面目に仕事をしてきて本当はまだまだやれると自分では思ってはいるけど、制度だから仕方がないと諦めて会社を去る。

そしてこれからは気持ちを切り替えて、第二の人生をどうするかを考える。

などという、ドラマや映画でよく目にする一般的なケースに自分は程遠いので定年どう捉えていいのか迷ってしまっているのです。

だから今までも定年をテーマにした本が数多く出ているのは知りながらも手を伸ばせないでいた。

こういう本はサラリーマンとしてある意味「正解」な人生を歩んできた人向けに書かれているので自分には関係ないと思っていたから。

しかし今回、新聞の新刊紹介欄(9/16付中日新聞)でその本を目にしたことにより「定年」と名の付く本を始めて買ってみた。

『定年入門』という本について

著者はノンフィクション作家であるため当然定年は無いのですが、出版社を含む仕事上でお付き合いのある会社員の方々が定年で突然いなくなってしまう現実に直面し、定年とはなんぞや?という思いからこの本を書くことにしたそう。

ただ、タイトルが定年”入門”となっていますがが、よくある定年後の人生の身の振り方、次の仕事の見つけ方や退職金の運用のこととかを指南した堅い内容ではありません。

何十人かの定年前後の心境や暮らしぶりをひたすら取材して、それを柔らかな口調で紹介したものです。

それはそれで様々な人たちの定年に対する心境や定年後の暮らしぶりを見られるという点では面白いですが、もう少し著者自身の定年に対する考えを織り込んでほしかったです。

新聞の記事は本を紹介するだけでなく、記者が著者にインタビューをしている内容を交えているのですが、著者の定年に対する考え方は、実はこの新聞記事の方にこそ載っていました。

だから読んでみようと思ったんですが、それを著書の中で表明してほしかったかな。

日本人は本当は勤勉ではない?

本書によると、内閣府の調査で「65歳を超えても働きたい」と希望する人は65.9%もいるが、実際の65歳以上の就業率は20.1%(2015年労働政策研究・研修機構)だそうです。

著者が取材を通じても「働くことが生きがい」と答えた人は一人もいなかったとの事。

著者は現在56歳ですが、卒業後に就職した会社を「向かない」という理由で3年で辞めていることからも、 ”仕事は我慢してやるものだと思って生きてきた” そう。

だから取材を重ねる中で、”日本人は働き者ではないのに、働き続けているのかもしれない”と感じたようです。

著者は ”定年延長の流れがありますが、「働くことが美徳」というこれまでの常識ではなく「あすにも会社を辞めたい」のが日本人-という前提で、むしろ40代で一律に定年にして、一度人間をシャッフルしたほうがいいかも。退職願は出しにくいけど、定年なら辞めやすいでしょ。会社も社会も風通しがよくなるのでは” とインタビューで語っていました。

なんだか私はホッとした。

自分も心の底から仕事が楽しいなどと思ったことは一度もありません。

でもそんなことを感じる自分はダメな人間なんだと思ってきたし、やりがいというものを見いだせないことに劣等感を感じていました。

やりがいのある仕事を見つけることこそが人生の勝者であるという考えが私の中に根強くあるために、それを見つけられない自分にいつまでたっても自身が持てないでいる。

でもみんながみんな、仕事が楽しいと思っていて、定年はそんな生きがいを奪ってしまう不条理な制度だと思っていた訳ではないのかもしれない。

本当の意味での自由な働き方は定年後にこそあるのかもしれない

”退職願は出しにくいけど、定年なら辞めやすい”

この言葉がドンピシャでした。

大手を振って会社を辞められる。これこそが定年なのだと。

むろん定年後に働かずにいられるのは、大手企業で定年を迎え潤沢な退職金を手にする一部の人に限られるでしょう。

私のような転職を繰り返してきたため定年を迎えても退職金は無きに等しく、資産も人脈も何もない人間が定年で働くことからきっぱりと解放などというわけにはいきません。

でも定年後ならやりたくもない仕事を無理無理する必要もない。それでほとんどの人は収入が激減するだろうが、定年後なんだから殊更後ろめたい気持ちにはならない気がします。

これまでは自分に合った仕事での転職をと考えても現実の生活のためには、収入を第一優先にせざるを得なかったことを考れば気が楽になるかもしれません。

でも正直に言えば私としては定年とか関係なく、誰もがもっと仕事の行き来(転職)がしやすい社会になってほしい。というのが本音です。

学校を出て、会社に就職して定年まで勤め上げる(それはそれで立派なことですが)のが経済的に一番得という今の労働構造はどうなのか。

そこからはずれてしまったら、もう元に戻れなかったり、別の働き方では生活に困窮するとかいうのはどうなんだろう。

一箇所で長く働こうが、違う道を転々としようが皆が幸せになれるシステムは無理なのか?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする